Vol.146 オリンピックと雇用情勢

2021年08月17日

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◇◇ ASTATE Monthly Letter ◇◇
(アステートメールルマガジン Vol.146)
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今月のひと言
「オリンピックと雇用情勢」代表取締役 福山研一

先日、無観客という異例のかたちでしたが、東京オリンピックが何とか無事に終わりました。開催にあたっては賛否様々ありましたが、コロナ対策等々は私の専門外ですので、ここでは雇用の側面からコメントさせて頂きたいと思います。

一般的に、オリンピック開催に向けては、インフラ整備で建設業界の雇用が増え、開催時には宿泊業界や、タクシー業界等の交通機関、そして飲食業界等、主にサービス業で雇用が増大するといわれます。多くは一過性の人材需要ともみられて、逆にその反動減を懸念する声もありますが、オリンピックを機に開催地域の知名度が上がり観光客が増えれば、恒常的な雇用創出に繋がるという意見もあります。 
しかしながら、今回はコロナ禍で、オリンピックも無観客開催となったこともあって、サービス業では期待したほどのインパクトもなければ反動減もなく、とにもかくにも新型コロナの収束を願うばかりという状況のようです。

政策的にも、五輪後という意識があるのかないのか、雇用調整助成金の12月までの延長や、最低賃金の引き上げなど、雇用対策も講じられているようにも思います。

また、事前のインフラ整備で、コロナ禍や無観客の影響が少ない建設業界ですが、五輪特需の終了後も人手不足が続いているような印象です。これは、バブル崩壊やリーマンショックによる建設需要の落ち込みとともに、建設業界の就業者数が減少していることが要因の一つといえます。そのなかで、東日本大震災の復興や東京五輪、その後も都心の再開発ほか公共事業も継続して行われていることで、人手不足が継続しているものと考えられます。

オリンピックは無事に終わりましたが、次はコロナが収束したあとに雇用情勢がどうなるか。注視していきたいと思います。

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